私の産卵床

例年と比べ、ずいぶんと時期が遅れたのですが、今八重根でアオリイカの産卵がピークを迎えています。この産卵を誘っているのが、私たちがシーズン前に入れた産卵床と呼ばれている木。場所によって、この木の種類が違うのですが、八丈島では「サカキ」を使っています。よく墓前にお供えされている花の後に挿されている木です。この「サカキ」は、水中に沈めてからもう1ヶ月以上経つというのに、まだ葉っぱが枝に付いたままでいてくれるのですが、他の木ではそうはいきません。葉が全部落ちてしまって、ただの枝になってしまいます。そうなると、すかすかで奥まで丸見えになるのがイヤなのか、アオリイカは産卵に来てくれません。

この「サカキ」を沈める作業、かなりの重労働。島内の同業者が協力して作業をしています。まず枝ぶりの良い「サカキ」を切り出し、トラックに積んで八重根に運び、そこで何本かの枝を組み合わせ、ロープを付け、水中を引っ張って沖へ運びます。そして産んでくれそうな場所の岩やコンプリートブロックに結わえつけているのです。水中の作業時間は30分ほどで済みますが、みんなエア切れ寸前で上がってきます。

この枝、何組も入れてあるのですが、自分が運んで結わえつけたものには、何となく愛着があり「私の枝に産んでくれると良いな~」と密かに願ったりしています。

今年は・・・ちゃんと、産んでくれていますよ、私の枝。

名札を付けてあるわけではないので、私だけの自己満足ですけど。かなり嬉しいです。

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喧嘩しないで、仲良く産んでね~。

み の紹介

八丈島のレグルスダイビングで働いてるよ
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